2013年3月23日土曜日

Opti Final Selection at WAKAYAMA 16-20 Mar.

The Last Judgement

2007年イタリア・ワールドへ行った時に ローマのシェスティーナ礼拝堂で ミケランジェロの絵画『最後の審判』を見ました。 (ローマ法皇を選ぶ時の煙はこの礼拝堂の入口側煙突から立ち昇る。)

 少し大げさですが選考会はこの絵画に似ているかと思います。

選手・サポーターの全知全霊を傾けてレースに打ち込み、後は神の御手に命運を委ねる。

今年はアジアにホスト・カントリーとしての ボーナス・エントリー10名が追加され、どん底に落ち込んだ選手達を拾い揚げて救いました。










3月16日 いつもの計測風景





矢野理事長と開催地の中村さんも計測員

2Fではセールを計測中

今年のチェック・ポイントは、セール幅中点間の寸法1700㎜を詳しく調べる事。
ここはセールパワーの最重要部。 なので、リーチに『凹み』があれば差し引きします。
写真ではリーチの直線よりも3㎜マイナスを黒い定規が示しています。実際に計測したセール幅に3㎜をプラスしないと正しい(リーチ直線からの)計測値が出ないので、セールの幅が1700㎜ジャストに近い場合にはアウトになります。 セールメーカーにこの『凹み』の理解がない場合にはワールドなどでも 不合格 とされました。

合格すれば このスタンプが押されます。 今回は『凹み』と合わせての値がジャストは数枚あった。 すなわち全てパス、ラッキー!!
 
 3月17日
まもなく開会式の始まり。

プロテスト委員長田中さんから ジュリーメンバーの紹介です。 左端は鈴木レース委員長。
 

  Race 1 

 いきなり トラブル艇を発見! 今 スタート数秒前です。
 JPN3257は スプリットが外れて セールピークに取り付けようと懸命になるが はめる位置は あまりにも高かった。
スタート4分後まで休みなくトライを続け、このあとマストを抜いて直そうとした。 スタートラインが閉じると、お父さんボートが彼の所に近づいて行った。
 
 

 海陽海洋のサポートボート、昨年の選手1名は 今年2名に増え、ラバーボートはマムからクリスティーナにパワーアップ。 しかし、サポートメンバーはまったく同じの村・本 ファミリー。

 落水艇を見つけたので近づくと
用足しをしていて うっかり滑ってしまったとのこと。
照れ笑いしながら あかを汲み出していた。
海上本部はWSCのカタマラン艇 安定がよさそうなのはRCの船酔い防止策かな?
信号旗展開用のヤード、オレンジ・ポール、スリット用ハシゴなど いろいろと改装している。

日本のエースとなる予定の JPN3159

海陽海洋のエース 本多佑基

 




海上計測チームは 矢野さんと荒川。 この写真では一見 PDFを着用していないように見えますが、腰に付けているのが膨張式のPrsonal Flotation Deviceです。

Race 3 

 低気圧が近づいてきており 海はだんだんと荒れてきた。   R-3のスタート直後。 この選考会の4日間を通して 一番いい風が吹いた。  205° 14.0kt

 JPN3269 航大 いい走りを見せて R-3 は4位、海陽海洋全員の願いが彼に集中している。


 佑くんも うまく滑っている。



                       いい風が吹いた R-3の トップはJPN3232海都くん

 5位はJPN3119 虎太くん。 彼や海都くんなど  大きめの選手達のためにも 微風シリーズとならないことを願う。
松尾ファミリーは この選考会で2名出場している、 兄の虎太郎くんと 妹のさん。

        6位で入ったのは JPN3287アンナさん。


Race 4

 午後からレースが開始して この日最終となる4レース目、 半日で4Rはちょっときついが、
この蓄えが 最後には大きな材料となった。



      R-4 もぶっちぎりのトップを引き、アンナちゃんは絶好調。

2位はJPN3186佳輸くん。 3位はR-3でトップを引いた海都くん。 4位はJPN3258 晋之助くん、この日 2位-34位-2位-4位の好フィニッシュを続け、計測を受けるのが待ち遠しかったのか、やっと検査が回ってきたので嬉しそう。


3月18日 早朝 アーバンホテル11F 自室からの眺め、和歌山駅が見える。 その向こう側が駅東の繁華街。
 低気圧が接近しており、一部を除く誰しもが 極強風のOPがレースを待ち望んでいた。 しかし暴風警報が出され、学校が休校となる状況で、実施する事が社会的な配慮を欠くとして延期(AMはハーバー待機、PMに解散)された。

3月19日 
前日の残り風を期待して早朝出艇を試みたが、すでに嵐は過ぎ去った後で、レース成立ギリギリの風の中で、一日中苦しい展開で続き、4レースを成立させた。 私はカメラを忘れたので、写真はないけれども 幸か不幸か 写真をお見せしたくもない光景ばかりでした。 しかし、いい選手は困難な風でも上位のキープを続け、JPN3286くんは2位-1位-1位-26位。 また、JPN3270宗至朗くんは、7位-3位-3位-6位の不動のシングル・キープを続け 絶対的な強みを発揮した。

The Final Day 
天気予報は北のち南、つまり正反対なので「南が吹くまで無風もあり。」との解析、
朝から長い風待ちとなる。 予告信号タイム・リミットは13:00なので 後がないRCは海上にて待機を続け、選手達は陸上待機で我慢を強いられる。

      出艇おそし、はやる気持ちを押さえつつ あと数時間で最終予告、それで決着する定めを受け入れようと 心静かに待つ身のナショナル・チーム候補たち。

子ども達は、時間の過ごし方をよくわきまえており、なんらかの遊びを見つけ出す。
大人たちは ただポケー としているのみ。
やっと『D旗』掲揚 出艇許可がおりる。 華やかなマザースから 計測艇に声援が届く。
「ブログに映るから手を振れ」 とか洩れ聞こえるけど、こぼれる満面の笑みに こちらも とても嬉しくなりました。
 
 Race 9
期待の南風はまだ来ないけれど 11:00 とりあえず 315°の風で1本スタートする。

現在順位は錯綜としていて、誰が選ばれるか、コンピューターでも予想は不可能。
第10レースが成立すれば、捨てが一つ増え 選考リストが大きく塗り替わる。
選手・サポーター・RC 誰もが この状況ではカットレースが欲しい事を知っている。
R-9は1位JPN3186佳輸くん、2位JPN3232海都くん、3位JPN3270宗至朗くんと続く・・・。

フィニッシュした選手は 自分のコーチのボートの所に行き、次のレースのために意識と精神力を注入してもらう。
この時12:00を越えた、もう1つしかできない、いよいよ大詰めを迎える。
選手達はスタート・エリアに戻る。
しかし風はなく 続くスタートはない。 オレンジ旗も揚らない。
はたして風待ちのままで 幻の第10レースとなってしまうのか。
 
この時 はるか南東の水平線が黒くなってきた。 左の岬の向こう側は南なので、南風が吹いているのだろう。

待望の南が入ってきた、スタートが始まるぞ、急げ!!
写真では見えないが、山頂にある たくさんの風力発電プロペラは盛んに回っている。
クリスティーナのすぐ後ろまで ブローが迫ってきた。

最終予告は13:00を越えられない、しかしまだ20分あるので 3つスタートができる。
レース委員長は、まず『P旗』から始まり、ゼネリコしてから 『 I 旗』-『ブラック旗』とメニューを繰り出すのだろう。

ジュリーの笛が鳴った。 ペナルティ・ターンをしているのはJPN3134・・・。

スタートはやはり ゼネラルリコール。
ジュリーは選手に何か説明している。 どうやら2回目なのでリタイアらしい。
推進方法違反は、1回目は2回転ターン(執行猶予) 2回目は実刑(失格)となる。
失格とは死刑のようなので、選手の名誉を重んじて(リタイア)つまり 切腹のような形式であるが 点数のほうはDSQ(失格)でもRET(自ら退く)でも何ら変わりはない。
 
ついに『ブラック』が掲揚、風は思ったほど上がらず8kt。
12:55 最後のスタートを切る。 くん 航大くん 最後まであきらめずに がんばれ。

最後の1位を飾ったのは JPN3283也海くんでした。 2011年のアジア/シンガポールでご一緒した彼の お父さんの笑顔が目に浮かびます。 そして 手作りの わらび餅、とても美味しかったですよ ごちそうさまでした。  2位はJPN3209啓太くん。 そして3位は JPN3270宗至朗くん、優勝おめでとう!!!。

 4位のJPN2902くん を計測、彼は昨年にはヨーロッパ(イタリア)へ行き、この選考会でも第15順位で 再び ヨーロッパ(ハンガリー)を選択した。
 7位で計測されたのはJPN3142さん。 後ろには兄の虎太くんが映っている こんな偶然ってあるもんですねー。
そして2013年選考レースの最後の計測を受けたのは
JPN3151唯斗くん。 42名のエントリーで彼ほどOPセーリング経験が豊富な人はいないはず。
そして、いつ寒さがぶり返すかもしれない気象条件で、短パンの服装が彼の強い気持ちをよく表している。

微風シリーズとなってしまったが、この穏やかな表情は いま彼のすべてを物語っている。
Final result 航大23位 佑基25位。
なに一ついいところがなかったようなくん。 来年の選考会が また君を待っているよ。
今回も大活躍したコーチ・ボート クリスティーナの撤収作業。
今日は本多パパは仕事の出勤日、でもすっかり大きくなって 頼もしい 航大くんとくんがいれば この作業はもう大丈夫。
 
このトレーラーは借り物、愛知まで本多ママ一人で 運転・牽引して帰ります。
それを見かねて 玉山さんが 「心配なので 一緒に伴走していくよ。」
と言ってくださいました。 ありがとうございます 稔章さん恵子さん。